留学中のランチの経験

5年前、私はボストンに留学していました。毎日語学学校で英語を学びながら、クラスメートたちとさまざまな経験を共有していました。その中でも、ランチタイムは特に楽しみな時間の一つでした。今日は、その中でも印象深い日について書いてみます。

授業が終わると、いつも仲良くしているクラスメートたちとランチをするために近くのカフェへ行くことになりました。私のクラスには、アメリカ人だけでなく、ブラジル、スペイン、韓国など、世界中から集まった生徒がたくさんいました。この日は、スペインから来たパブロと韓国出身のミンジ、それからフランス人のソフィアと一緒にランチをすることになりました。ボストンの街には、さまざまな国の料理を楽しめるレストランやカフェが点在していて、私たちも毎回新しい場所を試してみるのが習慣になっていました。

この日訪れたのは、地元で評判のベーカリーカフェでした。お店に入ると、焼きたてのパンの香ばしい香りが広がり、みんなお腹がペコペコだったのでメニューを選ぶのも楽しみでした。私はクロワッサンサンドとコーヒーを注文し、クラスメートたちもそれぞれ好みのパンやサンドイッチを頼みました。カフェの席に着くと、自然に英語での会話が始まりました。普段の授業では、文法や発音を気にしながら話すことが多いですが、ランチの時間はもっとリラックスして自由に話せる貴重な時間です。

最初は食べ物や授業についての話が中心でしたが、次第にお互いの文化や国の違いについて話が広がっていきました。スペイン出身のパブロは、スペインでは昼食の時間が遅く、午後2時や3時頃にしっかりとした食事をとる習慣があると教えてくれました。それに対して、韓国では朝食からしっかりした料理を食べる習慣があり、昼食も軽く済ますことが多いというミンジの話には、みんな興味津々でした。

その時、私は日本のランチについても話しました。日本では昼食は仕事や学校の合間に食べるため、手軽に食べられる弁当や麺類が人気だと説明すると、ソフィアが「お弁当文化は素晴らしいわね!」と言ってくれました。彼女はフランスから来ていて、フランスではランチも大事にされるけれど、食べ物に対するこだわりが日本と少し違うと感じていたそうです。こうして、異なる国の文化に触れながらも、食べ物という共通の話題で盛り上がれるのが楽しかったです。

さらに、話題はお互いの家族や休日の過ごし方に移りました。フランスでは長いバカンスがあり、家族で旅行するのが一般的だというソフィアの話に、ブラジルのパブロも共感していました。一方、ミンジは韓国では家族が集まって食事をすることが多く、特に正月には親戚が集まって大規模な宴会をするのが楽しみだと言っていました。

そんな話をしながら、私たちは気づけば2時間近くもランチを楽しんでいました。異国での留学生活は、文化や言葉の壁を感じることもありますが、こうして仲間と一緒に過ごすことで、違いを受け入れ合い、共通点を見つけることができるのだと改めて実感しました。

ボストン留学中のランチタイムは、ただの食事の時間ではなく、語学を学ぶだけでなく、異文化交流や友達との絆を深める大切な瞬間でした。5年経った今でも、その時の会話や笑い声を思い出すと、心が温かくなります。